防水時計の小ネタ

「ねぇ恵」
「なんですか」
「この防水ってさぁ、どこまで行けると思う?」
「は?」
「風呂くらいまではいけたんだけど、その先が思いつかなくてさ」
「……はぁ」
「海とかプールとか温泉とか」
「一緒に行こうとでも言うんですか」
「その前に実験がてらセックス」
「しませんよ」
「なんで」
「ぜっっったいしません」
「なんでぇ」
「あんた今まで自分がどんだけ力任せに押さえつけてきたか覚えてますか? 俺の手首ごと時計ぶっ壊れますよ。物理的に」
「あぁ……たしかに」
「そこまでじゃなくても好き勝手揺さぶるからあちこちにぶつけて壊しそうですし」
「あぁ~……」
「最終的に『邪魔』とか言って外して放り出すでしょう。何の結果も得られませんよ」
「そっかぁ流石恵、僕のことよくわかってるね」
「わかりたくもなかったことですけどね」
「じゃあ普通のセックスしよっか」
「しません」
「またまたぁ、断っても無駄なことは『知ってる』でしょ?」